異説 醤油の「むらさき」

「醤油の印と神事と妙見」


6の終わりの地図の方位ネタの前に、わかったことを。

異説 醤油のむらさき 4」で
茂木家の先祖の話を書いたが、そこで

>初代茂木七左衛門は「三光印・山七印」

その時、初代の醤油の商標に「三光印」がつけられたのか
よくわからなかったので 勝手な推測文を書いた。

その後読んだ資料の中で、こんなことが。

天台宗妙見山三光寺(夷隅郡万木) 瑠璃山三光寺。社伝によると
中世土岐氏に帰依し、
万木城鎮守妙見社の別当となす」

参考文献 『 つく舞考 』  古谷津順郎 岩田書院



野田の茂木家のご先祖、万木氏が、妙見社を持っていて
その社を管理するお寺(別当)が「三光寺」

  ←妙見社(妙見堂)。(千葉県夷隅郡万木)


妙見信仰に関係するネーミングを醤油に持ちこんでるじゃないか!
やはり星信仰と醤油に縁を持たせようと!!!

と、はしゃいでみたが
商売を始める時に、ゲン担ぎに家の信仰名称を使っただけ。 
冷静に見ればそんな推測。

ということは置いて、ここでは史実をネタに遊ぼう。


津久舞
野田市の伝統的な舞で、今回は舞台に使われるをネタにする。
柱の頂上に仕込まれるのは、
醤油樽
野田市の産業ならでは。

この舞について、土岐氏の妙見信仰をベースにした、
土俗的な祭ではーという仮説がある。

しかし、野田市内に、これといった妙見信仰を名乗るものが無いため
違うのではないかーという意見があり
多分そうだろー

で、片付けてたまるか



ということで、津久舞の柱を引きずりだしてきたというのも
津久舞が行われるのは、天台宗のテリトリー内


野田の天台宗のテリトリーについては、この説の
 で騒いだので
はしょるが
夷隅郡の万木城鎮守寺を思い出そう。

瑠璃山三光寺、という名称。
瑠璃とは薬師如来の名称に含まれる、薬師瑠璃光如来

薬師如来は、天台宗の中の世界観では
その姿はこの世では北斗七星
北極星信仰と繋がっている。

そして野田市は天台宗が盛んだった歴史を持っている。
その天台宗関連を管理していたのは、茂木家。

その茂木家の醤油樽が、神事の柱のてっぺんに。


津久舞の柱は、船の帆柱という説がある。

「つく舞は利根川の船着場で船頭が船の帆柱に登って
曲芸を披露したことに始まるといわれている。」

『利根川流域のつく舞』 龍ヶ崎市歴史民俗資料館編集・発行


と説明しているが
その時、舞に使われる柱の固定方法と
運送用高瀬船の帆柱を固定する構造とよく似ている、との説明もされている。


帆柱だとしたら。

船の帆柱の中に、船霊様という船の神様を奉る風習がある。
その船霊様の正体は北極星、というものもある。
船乗りさんにとって、方位の分かる北極星信仰の星を
柱の中に入れて、航海安全を祈願するのやら。


そして津久舞の柱は蛇と解釈されているが
日本の神話、伝承で蛇と龍はどちらにも解釈される。
ということで、都合が良いように龍と解釈する


北辰の「辰」=龍。
龍が乗り物で、北極星が乗る存在。

柱に乗ってる醤油樽。

ただ舞人の足場を良くするためだけに仕込まれてると
考えて終わらせるには勿体無い♪
神事の中で、一番天に近い場所だし。

樽の中にあるのが、醤油でも北極星でも
どっちでも可という仮説を立ててみました。


そして今度こそ方位編、「方位 北西」


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